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煌めく光の中で


by fusk-en25

陶器を見ていて。。

陶器を見ていて。。_f0221050_07365130.jpg

舅の作った陶器を見ていて。
私が嫁いだ頃はもうすでに登り窯から電気の窯に変わっていた。
何事も研究熱心だった舅は。
その地区に何軒かあった窯元の中でもいち早く電気の窯を取り入れて、
色々な色合いを試していて試行錯誤をしていたらしい。

その頃。おそらく昭和30年代の末のことだと思う。
京都は元々左翼系の強い地域で。
誰が考えたのか職人の賃上げ闘争を指導した人がいて。
何軒かあった窯元に職人のストライキが起きた。
窯元の親方はそのストライキに対して唖然として。
「ええ?わしらが搾取してるてか?
職人よりよっぽど長い時間働いてるのはわしらの方やで。
職人に仕事を回す算段するのに夜なべまでしてるちゅうのに。なんちゅうこっちゃ。
あいつらがおらんでも仕事はできる。」
と親方全員が怒ってしまい。ストライキをした地域の職人たち全員の首を切ってしまった。
「それが発端になってな。
登り窯の窯焚きもいらんように。みんな電気の窯に移行したんや。
そのあとで職人が頭下げて使うてくれ言うても誰も雇えへんかった。」
地域の事情も考えずに賃上げ闘争を指導した者の、馬鹿さ加減というか。
割りを食ったのは実は職人たちだったという悲劇のような話で終わってしまう。。

時代的にも窯を移行する時期に来ていたのだろう。
「薪の値段も窯たきの費用も上がってたしな。。」
電気の窯なら。登り窯のように月に一回焚くと言うことも無くなり。
常時少しづつものは作れる。職人がいなくても家内だけで作るのも気楽だったらしい。
でも月に一回登り窯を焚く緊張感や活気が失われたのはちょっと寂しかったな。
と夫は笑いながら言っていた。

家内総出で窯を詰めた時の家族の嬉しさがわかるような写真が残っている。



陶器を見ていて。。_f0221050_07370558.jpg







Commented by アンジー at 2018-10-16 09:39 x
おはようございます!
いい笑顔の 心あたたまる写真ですね(*^^*)
京都の革新⁉️の始まりは そのあたりなんでしょうね ひとに踊らされたんでしょうね(/_;)/~~  浅はかなかたに踊らされんと‼️ 自分でテンション上がる曲でダンスすればよかったのに‼️(*^^*)
京都はコーヒーの消費もパンの消費もトップ‼️ですもんね  神戸も今じゃ負けてます
いろんなところで 先取りの気風? 革新の気風が根付いているんでしょうね

fuskさんやご主人さまにも そんな遺伝子がしっかり あるように思います
わたしも 焼き物 陶器 器大好き!
ちなみに 信楽の遊楽竈さん 兄弟されてるんですが 私と同姓なんですよ
コーヒーカップ 西宮の阪急で購入したときに偶然知りました  一度訪ねたいと考えてます
Commented by fusk-en25 at 2018-10-16 23:13
> アンジーさん
いい写真でしょう。
家族全員が揃っている写真も少なくて、なおさらいい光景だなと思います。

私は生まれも育ちも大阪だから京都とはまたちょっと違いますが。
お侍が威張らなかった土地柄の気質はあるかもしれませんね。
by fusk-en25 | 2018-10-16 07:50 | 追憶 | Comments(2)