煌めく光の中で


by fusk-en25

文藝春秋を。。

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今回の芥川賞受賞の人気作
「おらおらでひとりいぐも」を読みたいと思っていた。
3月末に友が来ることになって掲載されている「文藝春秋」を持って来てもらった。
「おらおら。。」だけをまず読みたいと思っていて。
重量があるから雑誌の中のその部分だけを切り取って持って来てくれてもいいと言ったのだが。
せっかくだからと雑誌をそのまま持って来てくれた。
何年ぶりだろう月刊雑誌を読むなんて。。
文庫本以外の本は重量から考えてもとても手が出ない。
受賞作を読む前にあちこちページをくって、拾い読みもして。。
大いに楽しんだ。

さて「おらおらでひとりいぐも」
うーん、この作品が人気になるのはよくわかる。
これからの私たちが抱える課題でもあるし、何より東北弁のうまさに引き込まれた。
だが。。もしもこれが東北弁を使ってなかったらどうだろう。。
迫力ないだろうなあ。通り一遍の老いの繰り言に終わってしまう。
私自身もこの主人公の桃子さんに。状況は似ている。。
夫を十年近く前に亡くし。一人暮らしのつまらなさは嫌という程知っている。
でもなんとなく。ちょっと違うなあという気がした。
桃子さんはやたら色々な人格というか声を自身の内部に飼っていて。彼らと対話する。
それもよくわかるのだが。。
夫が亡くなって。常に夫と対話をしている部分は私にもある。
「あんたやったらこうするやろうなあ。。ほんでこんな風にも言うやろう。」と。
だがしかし。。それは本当にそうなのか?
夫が本当にそうするだろうか。。
40年近くしかもほぼ24時間起居を共にして来た私たち夫婦。
大体のことは予想がつく。でも本当に夫はそんな反応をするだろうか?
その不確かさに。。死者と対話することに実は私はもう飽き飽きしている。
どんな違った意見でもいい。喧嘩になってもいい。
生の声が聞きたい。本当の答えを知りたい。それも正確なことを。。
もう私は。。生きている人間とだけ付き合いたい。。とつくづく思っている。

私は専業主婦?をやっては来たが。。
家族のために家事をやっていたのではない。
たまたま家事が面白くてやっていただけで。
もしも家事以外にもっと面白いものに出会ったら。
夫や子供など捨ててもさっさと私ならそれをやるだろう。
夫が亡くなってはじめて桃子さんが自由を得た気分は。。だから私にはわからない。
夫が居ても居なくても。常に私は私自身で考え。。
ある意味で元々自由に生きて来た自負のようなものはいくらか持っている。

期待しなかった「百年泥」の方は面白かった。
泥をかき回して。。その中から捨てたのや拾ったのや。
悲喜こもごもの記憶が浮かび上がって来て。。
しかもセンチメンタルではない。あっけらかんとした泥の中からの形ある?記憶。
インドを題材にした空気の渇きまで伝わって来るような
一種の清々しさ。。おおらかさまで私には感じられた。。





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Commented by pallet-sorairo at 2018-04-05 17:02
「おらおらでひとりいぐも」
私もこの作品、あんまり面白くなかったです。
>もしもこれが東北弁を使ってなかったらどうだろう。。
>迫力ないだろうなあ。通り一遍の老いの繰り言に終わってしまう。
そう、他人がぶつぶつつぶやく繰り言聞いているようで
面白くないんでした。
もしかしたら、
この繰り言も男性の読者には目新しい物であるのかもしれませんが。
Commented by fusk-en25 at 2018-04-05 19:01
> pallet-sorairoさん
私もかなり理屈っぽい性格で。
ああでもないこうでもないと自分の中で問答はすることは多いし。
文章のようなものを考えている時もしょっちゅうですが。。
なんかこの桃子さんとは違うなあ。。
60代の人が75歳を想定するのは困難?なのかなと思ったのでした。
特に喫茶店に座ってボヤーッとしてる老女を想像するとゾンビみたいで。。
いやでしたねえ。
私自身はまだまだ若い人たちに
「私が存在することで刺激を与えたい」なんて大それた欲望も持っています。
しかも昔の私への評価(あの人はこんな仕事をして来た)でなく
「今現在の私が何をしているか」への評価でありたいとも。
Commented by kotoko_s at 2018-04-05 19:47
私はこの小説、割と面白く読みました。
ぐちぐちぐるぐる、ああでもないこうでもないをやっている主人公が(ほかの小説でも)好きなんですね。
共感というのではなく。
若造ゆえに実感を伴わない部分に、むしろ興味を感じていたというところがあるかもしれません。

『百年泥』のほうがよかった、という感想はほかでも読みました。
こちらは未読なので、読んでみます。
Commented by fusk-en25 at 2018-04-05 20:56
> kotoko_sさん
実は私。。外からの刺激があまりいらなくて。
自分の内から溜まりにたまったものをじっと眺めるのが好きだからかもしれません。
そしてそれが、何かを作り出せる原動力になるならもっといい。
時々自分でも欲深いなあとは思うのですが。。
生きている限り。。「やったるわい」みたいな心境で暮らしたい。。
おおいなる願望です。
Commented by ゆき at 2018-04-21 00:11 x
読まれたんですね。私は好みではなかったです。引き込まれない小説を読むのってシンドさ覚えます。でもそんな時も いちおう最後まで読むようにしてますが...

下重暁子著 エッセイ「極上の孤独」まだ読んでませんが、読もうと思ってます。
夫に依存して暮らしてる私は、もし先立たれたら...途方にくれそうで。
人づきあいよくないし群れるのも嫌いだし、かといって、適度なコミュニケーションもないと寂しいだろうし。
Commented by fusk-en25 at 2018-04-21 00:29
> ゆきさん
正直なところ。
一体この人はどんな風に生きたいのだろうと。
主人公を通して思ってしまいました。

私もどちらかといえば群れるのも好きでない。。のですが。
孤独孤独と思わないでも生きていける。それこそそんな年にはなったのかとは思います。
どうせ後もう少しや(ヤケクソ気味?)って気もするので。
なんとかなるわい(ガラ悪いですね。笑)
過去をグタグタ引っ張るより。今の私を自分自身で評価してやりたい。。と。
大それた欲望もあるからでしょうかね。
年寄りになっていることに飽き飽きもしてるし。(笑)
Commented by ゆき at 2018-04-21 19:00 x
「おらおら...」私がモヤモヤしてたあたりをfuskさんがいいえてくださって!なんかスッキリしました(笑

それと...ヤケクソ気味も?ガラ悪い?も、今の私には妙薬でした 笑
実は母が来ていて、認知症が始まっていて、さらに痙攣が起きて救急車で運ばれ入院したり...今月末には送って行きますが。

>実は私。。外からの刺激があまりいらなくて。
自分の内から溜まりにたまったものをじっと眺めるのが好きだからかもしれません。
そしてそれが、何かを作り出せる原動力になるならもっといい。
これって!若い頃の私にソックリ。今は ノー天気なふつーうの人。fuskさん、お若い‼いいなー(^-^)
Commented by fusk-en25 at 2018-04-21 21:55
> ゆきさん
うーん。実際に歳は取りましたが。。
意識下にある私は若い時とあんまり変わらない。
同世代だけでなく。世代の離れた年上(まだ幾人かおられます、笑)
や年下の友人(同性だけでなく)多いからかもしれません。
特に若い人に対して付き合ってもらっている感じより。
(元気をもらうなんて言葉嫌いなんです)
彼らに私の存在がいつまで刺激になるだろうって。。楽しみにしていることもありますね。
それも前に書いたように過去に私が何をしてきたからでなく。
(経験してきたからでなく経験を生かして?)
今の私がどんなふうに生きているかが彼らの刺激になればもっといいと。。
欲深いなあとは思うけど。。笑。
by fusk-en25 | 2018-04-05 07:21 | 本を読む | Comments(8)