煌めく光の中で


by fusk-en25

流れて。。


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2009年2月5日。
3ヶ月前に発見された癌で。
夫が死ぬのはわかっていた。
でもこの日に死ぬとは本人も私たちもわからなかった。

手遅れになるまでほっておいたのではない。
前年の2月におそらく良性の「唾液腺腫」を悪性になるまでに取りましょうと。
手術して。。その腫瘍は確かに良性だった。
ただ術後2ヶ月して手術の場所が腫れだして。腫れが引かず。。
何度か処置をしてもまだ癌とはわからなかった。。
最終的に細胞癌ではないかと調べに調べた結果。。の日。
詳細を聞いてきた息子に。「あと何年?」と尋ねたら。。
「年でも、月でもない。。週」という返事が返ってきた。
それはないだろう。。

それから3ヶ月生きました。
「来年10年やな。。過ぎるのはあっという間や。。」
「本当に。去年ぐらいの感じはするのに」

「命日の5日に仕事が入ってしまった。。どうしょう?」
「お逮夜の4日に行ったらええやん」
「花は?」
「日曜日でも。花屋なら開いていると思うけど。。」

もしも花屋が閉まっていたら。。。

ベランダに咲きかけたローズマリーやアザレアを摘んで。。
芽が出始めたスイカズラの蔓をからませた小さなリースを急遽こしらえ。。
現地に集合。曇っていた空が急に晴れだし。。
煌めく光に。。ノートルダム寺院もうっすら光を帯びて見え。。
昨日までの暖かさに。菩提樹の新芽もいくらか色づいてきて。。

雨ばかりが続く今年の冬。
危険水域に近づいていると言われるほどの増水中のセーヌ河。
いつもより流れも急で。。カモメや鴨が飛び交う中を。。
ゆらゆらと。。。漂うよりも。。
今年は早く。。下に流れて行きました。


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Commented by pallet-sorairo at 2018-02-05 14:57
ずいぶん急なお別れだったのですね。
3か月、どんなお気持ちで過ごしたのだろうと
しばらく呆然としてしまいました。
いつもながらのfuskさんのシンプルで美しく静謐な雰囲気をたたえ花輪。
増水したセーヌ川を今年は滑るように流れて行ったのですね。
Commented by fusk-en25 at 2018-02-05 22:06
> pallet-sorairoさん
夫の癌は特殊な前例の少ない癌でして。抗がん剤も決めにくく。
医者たちがああでもないこうでもないとためらっている間にどんどん進み。。
その間過酷な検査を繰り返しながら。その検査に対応するだけで。
夫も私も精一杯だった。と思います。
検査のためにだけ入院して原則的には自宅療養をしていて。
死ぬ1ヶ月前まで検査場所の病院まで自分で運転もしていきました。
どうせ死ぬならあんな過酷な検査はしなくてもよかったとは後になって思うことで。
当時62歳だった年齢では。諦めきれずに検査は受けました。。

最後まで意識ははっきりしていて自分で動けました。
冒頭で書いたように。
「死ぬのはわかっていた。でもその日だとはわからなかった。。」
自宅で死んだだけが。今になればよかったのかもしれません。
でもそばにいる私はいつかわからない死に対して
薄氷を踏む思いはいくらかありました。。
Commented by ゆき at 2018-02-06 21:33 x
おどろきました!私も同じ病で5年前 手術したからです。腫瘍の顔からして良性だと言われてましたが、過去の例に一人だけ悪性の患者さんがいた。と医師から告げられましたが、術後の生体検査で良性でした。

毎年 セーヌ川への献花を見ては、遊覧船からみたノートルダム寺院を懐かしんでいましたが、今年の献花の写真が一番うつくしいと感じています。リースも素敵です💓
Commented by fusk-en25 at 2018-02-06 21:57
> ゆきさん
手術した腫瘍は良性、なのに。。その後から癌が出てきた。
なんか騙されたみたいな感じでした。
いつもはゆらゆらゆっくり流れていく花輪が。
今年は、流れが急であっという間に真ん中に行ってしまい、
それはまたそれで趣もありましたが。。
by fusk-en25 | 2018-02-05 08:43 | 思う | Comments(4)