人気ブログランキング | 話題のタグを見る

煌めく光の中で


by fusk-en25

夜なべに煮たトマトを食べて

夜なべに煮たトマトを食べて_f0221050_08513557.jpeg

夜なべに煮たトマトをお昼に食べた。
ベランダのバジルをたっぷり散らし。
買ってきたばかりのパルメザンチーズをすりおろさずに大きい目に薄く刻んでかけた。
塊のパルメザンのいい匂いがからまって、美味しかった。

ここに住みだしたのは1979年だが、その前の1973年にも1年間。
パリから南仏にかけて放浪のような暮らし方をしていた時に、
1歳半の息子も連れてミラノに行ったことがある。
どういう経路で行ったのかはもう忘れたが。
確かその頃、学生用のIDカードを持っていて。
学生なら安く乗れる飛行機でロンドンに行くのにミラノからの飛行機しか見つからず
住んでいた南仏から電車に乗ってミラノまで行き。
そこからロンドンに飛んだのだと思う。
せっかく行くからと勿論ミラノにも5泊ぐらいした。
その頃お金はなかったけれど、
時間だけはたっぷりあったから変な経路で旅行したことは何度もある。

ミラノの話に戻るが、
宿もミラノ駅のインフォメーションでペンションを紹介してもらった。
その頃のヨーロッパのペンションは下宿屋と呼んだほうがいいぐらいの
自宅を1部屋か2部屋貸しているのがほとんどで。
変な安いホテルに泊まるよりそんな下宿屋のほうがよほど清潔だし、家主も親切だった。
ペンションは食事付きではないから、近くの安い店を必ず家主に尋ねることにしていた。
その時の家主のおばさんは「うちの前のマリオの店が一番」と言われて。
麺好きの夫と私はまずはスパゲッティを食べるつもりで。
メニューを見たらトマトとミートソースの2種類しかなくて。
トマトを頼んでみたら生に近いトマトのソースがかかっていて。
それがまたものすごく美味しかった。
夫と私は1皿づつおかわりを頼んで2皿目もぺろりと食べた。
1歳半だった息子もたしか半皿ぐらいは食べたと思う。

翌日の昼にもマリオの店に行った。
頼んだのは勿論トマトのスパゲッティ。
すると出てきたスパゲッティは前日の2倍量が盛られていた。
マリオが出てきて
「昨日は日本人だからと思ってちょっと少なめに盛ったからね。」
と言うではないか。

その夜もまたトマトのスパゲッティを食べに行った。
ミラノ風仔牛のカツレツも食べたとは思う。

その後1979年にパリに再び住み始めてから、何年か後にミラノへ夫と息子とまた3人で行った。
1973年から数えると10年は経っていたと思う。
前に泊まったペンションはもうやってなくてホテルに泊まったが
マリオの店を探してみた。
全くうろ覚えでおそらくここら辺だろうと見当をつけて行ってみたら。
まだマリオの店はやっていて、マリオも健在だった。
勿論トマトのスパゲッティを食べたことは言うまでもない。その時も大盛りが出てきた。


1973年当時。子供連れの日本人などまだ少なくて
ミラノに行く列車の中で乗客から珍しがられて。何枚か写真を写されたことがあった。
浜辺はその頃住んでいたサン・ラファエロの海岸。毎日のように砂遊びをしていた。

夜なべに煮たトマトを食べて_f0221050_08520537.jpeg

夜なべに煮たトマトを食べて_f0221050_08523569.jpeg

Commented by ゆき at 2016-09-22 11:18 x
マリオの店物語も楽しく拝読しました♪
当時お子さま連れのヨーロッパ放浪なんて!カッコよすぎです。羨ましい
ご主人はプロの写真家でしたっけ?!ショットが素晴らしいです。

パルメザンチーズ日本では高価ですが、イタリアで半額程度だったので買ってきました😃塊は風味が違いますね。
マリオの店風 煮込まないフレッシュのトマトパスタ🍴私も好きです。
Commented by fusk-en25 at 2016-09-22 22:03
> ゆきさん
放浪当時は格好良いなんてものでなく。単に物知らずで無謀だっただけです。
それでも時代が良かったからか、子供連れの方が何かと優遇されて。
有難い時代でした。
Commented by りらkす at 2016-09-26 20:17 x
はじめまして。
このお皿、実家にあります!
一家でフランスに住んでいた時にフランス北部の街で購入してました。すみません、嬉しくなってしまい思わずコメントしてしまいました。
昔と比べると日本人も増え、食材も増えて暮らしやすくなりましたよね。子供だった私も至る場所で珍しがられたのを記憶しています。
Commented by fusk-en25 at 2016-09-26 20:38
> りらkすさん
このお皿のメーカ<Villeroy&Bosh>はシンプルで丈夫なので好きで、これ以外にも何種類か違った食器も持っています。
確かにパリの食材は昔に比べて色々なものがこだわりさえなければ手に入りやすくなりました。
蒟蒻や豆腐を手作りしていた時代から思うと雲泥の差です。
これからもどうそよろしく。
Commented by りらkす at 2016-09-26 21:36 x
ご丁寧にお返事ありがとうございます。
villeroy&boshなんですね。今でも売ってるのでしょうか?今度見てみようと思います。

お写真とても素敵ですね。
やはりデジカメでは出せない温かみがありますね。
また拝読させていただきます。
Commented by fusk-en25 at 2016-09-27 06:09
> りらkすさん
Villeroy&Bochの店はパリにも何店かあります。
近頃はあまり食器を買わないので。覗くことも少なくなりましたが。。


デジタルカメラのない時代の写真は
家族写真は写すことは意外と少なくて。(紺屋の白袴?)
しかも写してもフィルム現像だけで紙焼きをしないことが多かったのですが、
やっぱり印刷とはちょっと感じが違うなあという気はします。
それも自分勝手な思い込みなんでしょうけど。
by fusk-en25 | 2016-09-21 09:14 | 追憶 | Comments(6)