煌めく光の中で


by fusk-en25
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この本に出会ったのはもう30数年前。
パリの日本人向けリサイクルショップの本棚だった。
大して興味を持たない題名だったが、著者の名前に惹かれた。
実は私の旧姓に似通っていたからだ。
同じような名前に親近感が湧いたのだろう。
買ってきた何冊の本と一緒に積み上げて。時々パラパラ見ていて。
最初は大して気にもとめずに読み始めたのだが
知らなかった家事のやり方が丁寧に書かれていて
中には古いなあと思えるようなものもあったが。
何しろ文庫になったのが昭和59年。単行本にまとめられたのは55年。
本の元になった日経新聞の掲載が昭和41年というから相当昔の?話ではある。
たくさんのお年寄りからの聞き書きをまとめた家事のやり方が
・日々を楽しむ(早起き、細切れ時間の使い方。姑暮らし。趣味仕事。。。)
・料理を楽しむ(料理の勘。米とぎ。豆料理。摘み草など。。。)
・物をいたわる(虫干し。針仕事。敷きのし。つくろい。。。)
・暮らしをはかる(不時の備え。年中行事。やりくり。。)
項目を上記のように4つに分けて内容も多岐にわたって詳しく書かれている。
中にはたんに古いと片付けてしまえない事柄も色々あった。
しかもこの本は読んでいて面白かった。
何年も前に実際に祖母や姑たちが普通にやっていた家事。
それが彷彿される。
私が子供の頃は書かれている布団など祖母が毎夏こしらえていたし、
解いた着物を伸子で貼られているのを見たこともある。
洗濯一つにしても
「今は機械で洗うのだからせめて干し方ぐらい考えたらどうか」とか。
「もっと歳がいって外に出られなくなったら
縫い物の楽しさを知らない人はどうして時を過ごすのだろう」と書かれている。
お年寄りが家事の中で自分の位置をまだ楽しめた時代だったのだろう。
舅の破れた靴下を「そんな物安いから買うたらええのに」と言われながら
勿体ながってたんねんに繕っていた姑の姿と重なったりした。
今も時たま、これはどんな風にやるのだったかと
調べるために読み直すこともある。
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# by fusk-en25 | 2016-02-11 09:03 | 本を読む | Comments(6)

春色の菓子を贖い。。

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日曜日、昼食を食べた後。
対岸のカルチェラタンまでそぞろ歩きを楽しんだ。
風は少し強かったが暖かい 散歩日和で。
ラテン地区と呼ばれるパリのいくつか大学のあるこの界隈。
古い建物でごみごみして庶民的だったのが。。
近頃はやたらキャフェもブティックも小綺麗になったと
ちょっとぼやきながらも
おじさん二人でやっている昔ながらの「トルコの菓子屋」が
開いていたので「ロクム」を買った。
ピスターチョやレモンを香りづけにした餅菓子なのだが。
トルコの砂糖菓子の中ではあまり甘くもなくさっぱりしている。
特にこの家のロクムは餅ッとしておいしい。
ウインドウの下から2段目の右端のがそれで
本来は大きい四角に切り分けて売っているのだが
中に入ると3色詰め合せの小ぶりのものを小箱に入れて売っていて、
春らしい色目に惹かれてそれを買うことにした。

家に帰って小皿に盛ると。なんだか雛の菓子の感じがする。
菱餅と同じ色合いだからかと思いながら
トルコ風にたっぷりのミントティを入れて食べました。
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# by fusk-en25 | 2016-02-10 08:07 | 散策 | Comments(6)

煌めく雫に。。

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春の嵐と呼ぶにはまだ早い気もするが
すざまじい勢いで風が吹き
横殴りの雨が吹き降るかと思うと
ぱーっと晴れ出す。
それが午後の何時間もの間に
何度も何度も繰り返されて
目を見張るようだった。
雨の雫がポツポツと窓のガラスにくっついて
そこに光がさすと。キラキラと煌めき
どんな宝石にも負けない綺麗さに。
何時間もぼんやり眺めていた今日の午後。

春という季節ほど、人々に待たれるものはないだろう。
夏も秋も冬も気がついたらその季節になってしまっているのに。。
春だけは一日一日待ち焦がれているから不思議な気がする。
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# by fusk-en25 | 2016-02-09 08:23 | 空を眺める | Comments(6)
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ノートルダム寺院の後陣が最も綺麗に見えると
夫が好きだった場所。セーヌ河畔サンルイ島のオルレアン岸。
2009年の6月。
この場所から遺灰はほんのわずかにしたが夫と取り決めもしていて
友人知人たちと散灰をした。

毎年の祥月命日には息子たちと墓参りの代わりに献花をして
昼食も共にする。
今年は年忌ではなかったから。日曜日に日延べしてオルレアン岸で待ち合わせた。
7年の間には雪が降ったり、大雨になったりと
献花の日はいつも天気が大荒れに荒れて まるで「雨男」とぼやくのだが。
今年は珍しく朝から快晴、少し風は強かったが暖かな日和だった。
7年も経つと夫も少しは落ち着いたか?と息子と笑う。

夫とサンルイ島に来るたびにビールを立ち飲みしていた
アルザス料理のブラッスリーで昼食。
古いスタイルの給仕がいるのはなんとなく落ち着くねと言いながら
まずはアルザスビールmützigで乾杯。
大きな醸造所に押されてパリのキャフェも
このビールの生を飲める店が少なくなった。
この店ならではの陶器のジョッキで飲むビールのきめ細かさは
なんとも捨てがたい。
晴れた日曜日とあってレストランは大混雑している。
春の陽射しに心弾むのだろうか。。人々の顔も明るく輝いているような気がした。
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# by fusk-en25 | 2016-02-08 09:10 | 思う | Comments(14)
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年が明け、立春が過ぎると。
まだ気温も低いし、曇りがちの毎日でも。
日が少しづつ長くなって。
時にはもう「春」と思わせられる陽光に出会うこともある。
そうなってくると。どんな種を蒔こうかとか。
ヴェランダの鉢の土を入れ替えた方がいいかとか。。。
あの公園の梅は咲き出したかな?とソワソワし始める。
家人たちなら「また始まった」とできるだけ私の話を聞かない振りをしだす。
一緒になってそんなワクワクに付き合っていられないらしい。
こんなに明るい陽差しを見ながらどうして私のような気持ちにならないのだろうと
実は不思議に思うのだけれど。。。

フランスの園芸種はあまり種類が豊富でない。
花屋には近年ちょっと変わった品種も増えてはきたが。
それでも今の時期ならクリスマスローズに混じって
鉢植えならパンジーやアザレア、シクラメン、ヒヤシンスぐらいしか見かけない。
こんなに暖かい冬なら、秋にパンジーの苗を植えるべきだった。。
と悔やんだりもしながら。
ずいぶん前にヴェランダに植えて
たっぷり摘んだパンジーの写真を眺めていた。
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# by fusk-en25 | 2016-02-07 09:31 | 草や花と遊ぶ | Comments(2)

春色の花を眺めて。。

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部屋中がぱーっと明るくなるような花を頂いた。
夫の命日だからと毎年持ってきて下さるのだが
今年は春らしい色合いのアネモネだった。

一人で暮らして丸7年。
過ぎてしまえば「早いですね」と言い合えるが。
最初はかなり緊張もして。
毎日毎日をがむしゃらに暮らしていたような気がする。
寂しいとか。悲しいとか。侘しいとかの心境より
自分自身がくたばらないようにと必要以上に神経を注いでいた。。
誰にでもあの頃は「走ってましたよ」と笑えるようにはなったが。
そんな風に言っても。
毎日の暮らしは夫がいた頃とほとんど変わりなくは暮らしていた。
ただ二人でいるのと一人で暮らすのとは
ものに対する視点が違うものだなあと思う。
何がどうか。どう違うかは具体的にはよく分からない。
でも違う。
その違いに対処して暮らした7年だったような気がする。
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# by fusk-en25 | 2016-02-06 10:30 | 思う | Comments(10)
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花ニラが咲いている。
零下近くの気温になった寒波に。
金蓮花も満開のアザレアも一夜であっという間に萎れてしまったのに。
花ニラだけはつつがなく。。。。
健気に咲いているのを「しぶとい」などと言ったら可哀想なのだが
しっかりと花も萎まず、咲いている。
30数年前にちっちゃな一鉢を買って、鉢を大きくしたり 時々株分けするだけで
たいして肥料もやらず ほっ散らかしているのに、毎年鉢いっぱいに花が咲く。
強いを通り越してどうなってるのか?と思うぐらいの咲き方で。
しかもなんとも花が楚々として愛らしい。
ただこの花にはたった一つ欠点がある。
摘み取っていけると。たった1輪でも部屋中に葱のような匂いが立ち込め。
鉢植えごと部屋に置こうものなら、ほんの10分ほどで
葱の保管庫にいるのかと思うぐらいの匂いに家中が満ちる。
可愛い花なのにいけられないのは実に残念だ。

久しぶりに朝から晴れた日。
一月ぶりかで市庁舎の影がベランダから見えた。
12月に比べると1階分ぐらい下に影がくる。
あと1月ぐらいでこの影も映らなくなって。
こんなにくっきりと朝から晴れるのも珍しいから。
後何度くらい影が見られるかなと思ったりしていた。
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# by fusk-en25 | 2016-02-05 08:52 | 草や花と遊ぶ | Comments(6)