煌めく光の中で


by fusk-en25

深く揺すぶられる。。。川上弘美「水声」

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本の中を彷徨っている。
「片付けないで古い本を読み耽ってるのとちゃうか?」
私ならありそうなことだと息子が笑う。
「やってへんって」と言いながらも、
本当は積んである本をパラパラめくりたい。。誘惑にはかられる。

2週間ほど前に整体に行った時。
施療士に
「ちょっと体が草臥れている。ヴァカンスなんだから、動くのもゆっくりにしたほうがいい」
とは言われていた、
私自身、疲労感の意識はさほどないのだが。そんな風に言われると
「言い訳」ができて。
普段なら昼間は読まないことにしている本も。
これ幸いと堂々と寝そべって読みふける。

しかも川上弘美の長編「水声」をもらった。
元々好きな作家だから食いついて読み出した。
「ああ彼女はここまで来たのか」というと変だが。
気持ちに染みいるような小説だった。
普通から見れば妖しげな、どちらかと言えば「いかがわしい」とさえ思えるような状況を。。。
なのに。その中にいる主人公たちがあまりにも人間としては健全な。
寧ろ清々しいような感じがして。心が深く揺すぶられる。

川上弘美を初めに読んだのは
確か「センセイの鞄」だった
あの温かな人間関係に惹かれて。文庫になっている本はほとんど読んだ。
数えてみたら17冊。
「古道具屋 中野商店」や「どこから行っても遠い町」も好きだったが。
センセイの鞄の頃のどこかまだ少し舌足らずな。
これだけは書きたいという思いの方が幾らか先走っていたような。
そんなものがこの「水声」からはすっかりなくなって、透き通るような感じがした。


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by fusk-en25 | 2017-08-08 07:04 | 本を読む | Comments(0)