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煌めく光の中で


by fusk-en25

剥がしもの。。

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焙じた番茶を飲もうとしていて、
たまには違った湯呑みを使って。。と。
好きな染付の撫子の湯呑みを出して来た。
夫の実家で作られたものだが、釉薬の藍の色が冴えて。可愛い撫子のの花が浮き立つ。

私が嫁いだ頃はもう染付より、交趾焼と呼ばれる色物の器がほとんどだったが
まだいくらか日常雑器の染付も焼いていた。
この染付には素焼きの器にゴム糊で撫子を描き、釉薬をかけて
そのゴムを外す「剥がしもの」と呼ぶ手順がある。
ある日。実家によったら、姑がせっせと剥がしものをやっていた。
スルスルと面白そうに描かれたゴム糊を細いピンで剥がしていく。
私も手を出して、剥がしてみた。
スルスルどころかプツンプツンと糊のまくが切れてしまう。
「うまいこと剥がれへん」と私が嘆くと。
「ゴムの溜まったとこから剥がして、そうーっと引っ張ったら
お父ちゃんが一筆描きにしたはるから、すーっと外れるで」と笑う。
姑はどちらかというと不器用な人で、
彼女にできるなら私にも簡単に出来るだろうと思ってやってみたのに。
姑が5つか6つ剥がしている間に私はとうとう一つしか剥けなかった。
しかも切れたゴムの跡もプツプツ残っている。
しまいに「こんな肩凝ることできへんわ」と言うと。
姑がクスクス笑い出して「あんたやったら3、4日もすればできる」と慰めてはくれたが。。
職人の熟練とはそう言うものかと納得する思いだった。

久しぶりに撫子の湯呑みで焙じ茶を飲んで。
遠い昔になってしまった工場の情景を思い出していた。

2月11日。今日は姑の誕生日だった。


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Commented by nature21-plus at 2017-02-11 14:10
へぇ~!。。西陣と似たようなもんなんだ。。なるほど。。
Commented by pallet-sorairo at 2017-02-11 14:30
ふうん、
染付ってそんな風にして出来上がったものなんですね。
この形に優し気な撫子がよく似合って素敵ですね。
Commented by fusk-en25 at 2017-02-11 21:37
> nature21-plusさん
窯元っていうとなんとなく?かっこよさそうに聞こえるけど、
実際はもう野暮ったいことをいっぱいやって商品はできるって。。思いますね。
テレヴィや雑誌に載るのは綺麗事ばかりで。。。
Commented by fusk-en25 at 2017-02-11 21:44
> pallet-sorairoさん
↑にも書きましたが、商品になるまで嘘みたいに手間はかかります。
これだけ手を入れて作って、
登り窯の時代なら、一窯焼いて全部失敗ってことがありますからね。
しかも一月に一回しか焼かない、一月の手間が全部なくなってしまう。
死活問題だから、もうその頃の窯を開けるときなんか目が血走ってたらしいです。
この頃はガスや電気で、量も少しで何度も焼くから損は少なくなったようですが
。それもまた「売れてなんぼ」ですからね。笑。
by fusk-en25 | 2017-02-11 08:03 | 追憶 | Comments(4)