バナナとパイナップル
2015年 11月 18日
やはりいくらかテロの影響があるのか
香具師のやっている安物の雑貨を売る店はいつもより数が少なかった。
八百屋にちょっと完熟しすぎかなと思えるバナナが
一盛りいくらの籠に入れて売られていた。
産地はフランスの海外県・グアドルップと書いてあったが
ほかの何軒かの八百屋でも同じ銘柄のバナナを安売りをしていたから
今が出荷の最盛期かな?なんて思いながら
お菓子に使うつもりで一盛り買ってきた。
10本2、5kgが2ユーロ。平常のほぼ3分の一ぐらいの値段だろう。
一本食べてみたらかなり甘くて美味しかった。
私の子供の頃はバナナは果物の中でも高級品で
病気見舞いの大きな籠の
下には蜜柑や林檎が詰まっている一番てっぺんにバナナがのっていた。
いつ頃からバナナも安くなったのだろう。
1970年代にはもう高級品のイメージなど全く無くなっていたと思う。
まだ東側と呼ばれていた1980年代のハンガリーに
毎年クリスマスになると必ず旅をする友達がいた。
彼女の夫がハンガリーを亡命してきたピアニスト(彼女は日本人)で
当時 まだ故国に帰ることのできない夫の代わりに
ブタペストに住んでおられた年老いた父親にクリスマスプレゼントを
毎年届けに行くのだと。
「バナナとパイナップルの缶詰をトランクにいっぱい詰めていくの。
フランス語を勉強されているという。と
その後日本に住みだした彼ら夫婦も若くして亡くなってしまったが。
バナナの山を見ていてると、
さっき、到来物の熟れたパパイヤにレモンを絞って食いました。
うまいにはうまかったけれど、熟柿ガキの方が深みがある滋味と思うのはしょうがない。珍味よりも馴れた味です。
同年代ゆえの同じような思い出。
病気見舞いの大きなカゴの中のバナナ。
また、お盆のお供えにバナナやリリーの缶詰。
恨めしくジーっと見てました…
バナナといえば、
ハンガリーの話と同じような話をハンブルグにいる高齢の友人から聞きました。ベルリンの壁が崩壊し、東ドイツに住んでいた人々が国境を越えて西ドイツになだれ込んできた時に、最初に聞いた言葉がバナナだったと。「バナナを持っていますか?
子供にあの美味しい味を体験させたくて。持っていたらくださいませんか?私たち東の人間には高価で手が出ない品物だったのです」西ドイツでは、バナナなど珍しいものではなかったから、驚いたと。住む国によってこうも違うのかと、その話を聞いた時、思いました。
楽しいですよね
人間に直に対してものが買えるってやっぱりいいですねえ。