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煌めく光の中で


by fusk-en25

アントワープのオカピ  ヒュ・ロフティング

アントワープのオカピ  ヒュ・ロフティング_f0221050_52021.jpg

ずいぶん前になるが、ベルギーのアントワープに行く計画をたてた。
動物園には是非行きたいと息子は言う。
「ふーん、なんで?」   珍獣オカピがいるから見たいと。
到着して翌日「珍獣」につられて見に行くことにした。
動物園の入り口で「オカピってどんな動物?」と息子に尋ねると「知らん」と言う
「知らんってあんた。珍獣がここにいるのをなんで知ってるの?」
「猿のチーチが言ってたよ」
ええ、チーチって「ドリトル先生のアフリカゆき」の猿のこと?
息子はそれで何が悪いと言うようなすました顔をしていたが。
親の私の方がびっくりした。「この子はアホか。12歳にもなって童話の話を信じるなんて。」
当時の息子は本を読むのはあまり好きでなく。
ただ。。動物図鑑のどのページにどんな動物が載っているのかまで
覚えているぐらいの図鑑を眺める方が好きな子供だった。
私はてっきりオカピも図鑑で見つけたのだろうと思っていた。

「オカピ」は確かにアントワープの動物園にいました。
1904年に当時ベルギー領だったコンゴで発見され、
1919年にアントワープで飼育される。キリン科のシマウマに似た動物。
森の貴婦人とも呼ばれていた優しい感じの動物だった。
ヒュ・ロフティングがドリトル先生を書いた1919年には確かに珍獣で
世界中で1頭だけアントワープで飼われて。51日間しか生存しなかった、
おそらくその当時も話題になったのだろう。
帰ってから図鑑で確認したら 1957年にパリで繁殖に成功して、
現在もヴァンセンヌの動物園にいる。(わざわざアントワープまで行かなくても
ヴァンセンヌならいつでも見られる。)
その時 もしもアントワープの動物園にいなかったら
息子を蹴飛ばしたいぐらいの気持ちだった。土砂降りの雨の中をわざわざ動物園に行ったのだから。

ドリトル先生の物語はアフリカゆきから、楽しい家まで12冊。
猿のチーチだけでなく沢山の動物が出てくる。
動物が人間に飼われているのでなく
それぞれが自立?して一緒に暮らしていると思える生き生きした姿が描かれ
ドリトル先生のように動物語が話せたらいいのにと思えるどれも楽しい話だった。
このオカピのスケッチは息子がその当時に 描きました。

アントワープのオカピ  ヒュ・ロフティング_f0221050_557755.jpg

 * 私の持っている保育社・1973年初版発行「標準原色図鑑・動物Ⅱ」には
最初の繁殖がパリのヴァンセンヌ動物園と載っていますが
これを書いていて検索したら、
オカピの繁殖に最初に成功したのはドイツのフランクフルト動物園になっていました。

Commented by 夜の騎士 at 2015-07-27 11:18 x
fuskさんのブログで「オカビ」という珍獣初めてしりましたよ。ウイキで早速検索してみました。

コンゴで発見されしばらく「シマウマ」の仲間と思われて
いたけど「キリン科」の哺乳動物だそうですね。

なんと日本の「上野動物園」「横浜ズーラシア」「横浜金沢
動物園」でも飼育されてるそうです。

あす、浅草のライブに行く予定なので早めに出て、何十年ぶりかで上野動物園に寄って「ブラビ」ちゃんを見てこようと思ってます。

なにせ「珍獣」ですから・・・

帰ってきたら「アンタ、ブラビっていう珍獣知ってる?
オレ、きのう見てきた。ホレ、これが画像!」って自慢
してやろう。息子さんに感謝。
Commented by 夜の騎士 at 2015-07-27 11:22 x
コメント書いてるときはfuskさんの本文が見えないので
「オカピ」が「ブラビ」になっちゃった。

ブラッド・ビットに怒られそう
Commented by fusk-en25 at 2015-07-27 18:47
よるのさん、
パンダのように縫いぐるみになりにくいのか
珍獣でもオカピのことを知らない人が多いです。
ドリトル先生の中で「オシツオサレツ」という想像の動物が出てくるので、私は読んだ時にオカピが存在するなんて思わず、素通りしてしまったのですが、息子は本気にして。そう言うのが子供らしいといえば子供らしいですね。これ以外に「イグアナ」がロンドンに1匹いると書かれています。
Commented by germanmed at 2015-08-01 06:24
このノート、凄い!

ところでドリトル先生の訳、井伏鱒二だったのですね。子どもの頃はそんな人知らなかったので・・・。
Commented by fusk-en25 at 2015-08-01 09:44
germanmedさん
ノートって、オカピの絵のことですね。
実はこのカット、息子が当時発行していた家庭新聞なんです。
日仏語で約5年間、75号まで出していました。
その話はいつかまた書きたいと思っています。
by fusk-en25 | 2015-07-27 06:24 | 本を読む | Comments(5)